カジュアル英語に挑戦しよう! – No.2 添削の活用方法

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 今回は、カジュアル英語に挑戦しよう!の第2回記事です。カジュアル英語の考え方と、添削活用方法について解説させていただきます。

=> カジュアル英語に挑戦しよう! – No.1 学習のヒント はこちらからお読みいただけます。

カジュアルライティング学習においての考慮点

 フォーマルな英語にも丁寧さの違いがあるように、単に「カジュアルライティング」といっても状況により使われる言語は大きく異なります。言葉は文脈や、相手や読者との関係性によって大きく変わります。イディオムの使い方、語彙の選び方、文法構造の選択、全体的なトーンなど「自分がどれくらいのカジュアルを目指しているか」を考えることが重要です。

 英語便のスローガンがBuild your own language.であるように、言葉はあなた自身やあなたが世界とどう関わっているかを反映するものになります。はじめは人を真似てスラングや短縮ワードを使ってみることでもOKですが、使いこなしていくためには自分独自の「カジュアルライティング」のスタイルを探していく努力が必要です。

以下、カジュアルライティング学習においてのいくつかの考慮すべき点を見てみましょう。

(1) 読み手を想像する(誰が読むのか?)

 「ビジネスのカジュアル」は、たいてい「友達のカジュアル」や「家族のカジュアル」よりもフォーマルです。また、日本語同様に年齢や学歴といった背景も影響します。年齢を重ねると、最新の言語トレンドに疎くなり、若い世代が使っているカジュアルな表現を知らないことがあります。さらに、高学歴の人は、あまりにくだけたトーンを好まない傾向があります。ポイントは、「誰に向けてカジュアルに書いているのか」を常に意識することです。

(2) 相手やSNSへの影響を意識する

 たとえばEメールはテキストやSNS投稿よりもややフォーマルですが、それでも紙の手紙(スネイルメール)に比べればかなりカジュアルです。テキストメッセージにおいては絵文字、略語やネットスラング(LOL、BTWなど)も非常によく使われます。SNSにおいては、あなたの投稿の仕方が、他人のコメントの仕方にも影響します。文章がカジュアルであればあるほど、反応も率直になる可能性があります。つまり、どんな「関係性」をパブリックと築きたいかによって、どれくらいカジュアルにするかが決まります。

(3) 読み手との距離感を考える

 相手との関係性や親しさの度合いによって、カジュアルライティングのレベルも変わります。自分がどのくらいくだけたトーンを使うか、またどのようなスタイルで書くかによって、相手の反応も変わります。また、絵文字や省略語が安心して使える相手なのかをの考慮も必要です。ブログ記事やコメントなど「パブリック向け」の文章であれば、やはりどんな読者に届いてほしいかを意識して、それに応じたスタイルで書くべきです。

  ぜひ、上記の点を考慮してカジュアルライティングにチャレンジしてみてください。続いて、カジュアルライティングを添削へ提出するときの注意点を述べます。実際、メンバーより「見ようみまねで書いたカジュアルに書いた文章が恥ずかしくて添削へ出せない」「カジュアルライティングを提出したら、ネットで使われている表現がほとんど修正されてしまった。」といったご意見が聞かれます。カジュアルライティングを添削へ提出することに全く問題はありません。ただし背景や意図が講師に伝わるようにかならず文章に説明をつけてください。

説明する女性  添削担当講師は、基本的にフォーマルで丁寧な言葉を教えたいと考えています。スラングや略語、くだけた表現のカジュアル文章を添削へご提出いただくときには、文章の目的をきちんと説明し講師に理解を求めることが重要です。

以下、カジュアルライティングを添削提出する際の文章説明の例を挙げます。

講師へのメッセージ例

 自分の書きたいものを英語で説明するのは困難な作業です。ですが、添削講師へ意図が伝わるか伝わらないによって、結果に大きな差異が出ます。面倒でも、一度詳細な説明文を作っておくと繰り返し使えるので便利です。

説明する女性  英語便正規会員またはトライアル会員の方は、「自由添削提出」の講師への通信欄に説明を記入してください。簡単なトーンの確認などであれば以下の表現を使ってQA掲示板で質問投稿いただくことも可能です。また、以下の説明をChatGPTなどの生成AIのプロンプトで確認することもある程度できると思います。ただし、AIは人間の距離感を図るのは苦手ですので自然な表現を求めるのであれば添削や掲示板を活用してください。 =>詳しくは「AIを賢く使う英文ライティング: プロンプトとポストエディットの極意」の日記やSNSメッセージのポストエディットの章を参照してください。

(1) 同僚へのカジュアルメール(ビジネス)

文章例:
Hey! Just wanted to check in about the meeting tomorrow—still on at 10? Let me know if anything changes. Thx!

説明例:

This is a casual email to a colleague I know well. It should be fairly casual but still polite and clear. Please review for natural flow and language while keeping the casual business tone.

(2) オンラインフォーラムでのコメント投稿

文章例:
Honestly, I thought that movie was super overrated. Cool effects, but the story was kinda meh \o/¯

説明例:

This is meant to be a casual comment on an online forum. I used slang/emoji and a casual tone to make it seem more conversational. Please check the tone and phrasing while keeping it informal and conversational.

※ This is meant to be ~で、「~を意図して」「~のつもりで」という意味になります。練習で書いた文章に自信がない場合でも、「私はこういうつもりで書きました」という意思を伝えることができます。

(3) 日記・旅行記など

文章例:
Was planning to study today but ended up binge-watching Netflix again… ^^; Why am I like this lol

説明例:

This is meant to be a casual diary/journal-style reflection. I used internet slang (i.e. emojis and common internet form like lol) and humor to make it feel personal. Please check for clarity and tone, but I want to keep the casual feel.

※ reflectionは、「振り返り」、「考察」といった意味になります。diary-style reflectionで、日記風の生活や学習の振り返りを記したものというようなニュアンスになります。

(4) 友人へのテキストメッセージ

文章例:
Omg I totally forgot about lunch today (×_×;) my brain was in outer space lol. Wanna grab something tomorrow?

説明例:

This is meant to be a text message between friends. I wanted to use lots of slang and emojis. Please keep the relaxed tone and abbreviations.

(5) SNS投稿

文章例:
Rainy Mondays = coffee x 3 c[_] Can someone pls tell me how it’s not Friday yet?

説明例:

This is meant to be a casual writing sample for a social media post. It uses casual expressions and emojis to express mood. Please give feedback but keep the playful tone.
説明する女性  以上、いくつかのカジュアル文章の説明例を見てきましたが、実際にはスラングの利用や省略スタイルが相手との関係や年齢などにより適切かどうか心配であることも多いと思います。以下はそういった心配点を講師へ伝えるための説明例です。いろいろ組み合わせて使ってみてください。
※ 斜体文字の部分は実際の内容と置換して使ってください。

説明例1 相手との関係性や年齢などに沿った文章になっているか尋ねる

I tried to use some slang and emojis in this casual writing. Could you let me know if they sound natural and appropriate for someone my age (40), and if they fit a “friendly neighbor kind of” the relationship with the reader?

※ “friendly neighbor kind of” の部分は、たとえば、”fellow parent at my kid’s school kind of” 「子どもの学校で顔見知りの保護者同士くらい(の関係)」、”friendly online acquaintance kind of” relationship 「SNSやフォーラムなどでたまに交流するネット上の知り合いくらいの距離感」といった内容に置き換えられます。

説明例2 使っている言語が年齢層にふさわしいか尋ねる

I’m not sure if the slang and abbreviations I used are appropriate for someone in my age group (in their 30s). Could you check if my word choices sound natural and age-appropriate?

説明例3 使っている言語が相手との関係性(友人、同僚、またはSNS読者など)において適切であるかどうか尋ねる。

I wrote this as if I were talking to a friend/co-worker/social media followers. Can you check if the tone, emojis, and expressions match that kind of relationship?
説明する女性  相手との関係性について尋ねるときは、できれば相手についてもう少し詳しい説明ができるとより効果的です。たとえば、
a co-worker I’ve only known for a few month「知り合って1か月たったばかりの同僚」
a friend I’ve known for many years and feel very comfortable with 「長年の友人で気のおけない間柄」
などです。

説明例4 スラングや省略文字が相手に失礼に当たるかどうか尋ねる

I used some slang and casual expressions here. Please let me know if they sound too informal or too strong for this context or audience.

説明例5 カジュアルトーンを保ちながら失礼にならないか尋ねる

I’d appreciate your feedback on whether my tone, slang, and emoji use are suitable for the audience and situation. I want to sound casual but not too informal or unnatural.
説明する女性  Situation「場面」も可能であれば詳細に説明ができるとより効果的です。たとえば、
A comment on a class discussion board for a university course 「大学の授業用ディスカッション掲示板へのコメント」
A social media post sharing my thoughts on a current event, intended for a general audience.「時事的な話題について自分の考えをシェアするための、一般向けのSNS投稿」
などです。

 以上、2回の記事を参考にしてぜひカジュアルライティングにチャレンジしてください!

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