Suitable vs Appropriate – 混乱しやすい英単語用法

英文法・語法

 英単語SuitableとAppropreateの両方に「適切な」「妥当な」という同じような意味があります。これらは、場面により明確に使い分けなくてはならないことが多く、また文法的に相互に入れ替え可能な場面でも、意味が変わるため注意が必要です。 両ワードとも英検やTOEFLエッセイ、TOEIC Writingのような資格試験エッセイでよく誤用が見られます。

 当記事では、SuitableとAppropreateの場面別の使い分けを例文を使って説明させていただきます。

使い分けの簡単ルール

 まず、両方のワードの簡単な使い分けルールを説明します。

Suitable ある場所・特定の人、ある条件下などにおいて「ふさわしい、適切な」という意味になるときに使われます。
Appropriate  「社会的に妥当」「道徳的に正しい」という意味になるときに使われます。

 以下、それぞれの利用場面を例文を使ってご紹介します。

Suitableの利用場面

 まず、suitableの利用場面をご紹介します。

(場面1)
 私は新しい家に引っ越したあと、リビングルームに合うソファーを探しに家具店にでかけました。お店でよさそうなソファーを見つけて自問します。

Is this sofa suitable for my living room?
このソファーは私のリビングルームに合っているだろうか?

※「私の部屋という特定の場所に(サイズや色合いが)合う」という意味なのでsuitableを使います。

(場面2)
 重要なクライアントとのミーティングに向けてレストランの予約を同僚に依頼します。

Can you please book a suitable restaurant for my meeting with the representatives from ABC Corporation?
ABC社の代表とのミーティングに向けて適切なレストランを予約してもらえますか?

※ 特定の場面においての「適切」という意味なのでsuitableを使います。

Appropriateの利用場面

 続いて、appropriateの利用場面をご紹介します。

(場面3)
(これは日本の英語学校で私が実際に体験した話です)ある日、ある親子が英会話レッスンに来ました。ふと見ると小学生の女の子のTシャツに”f***ing”という文字が含まれた言葉が書かれていました。お母さんも意味が分かっていませんでしたが、明らかに小学生が着るロゴのTシャツではありませんでした。私が英語の意味を説明したうえで、お母さんに言いました。

The t-shirt is not appropriate for your daughter to be wearing.
このTシャツはあなたの娘さんが着るには適切ではありません。

※ 小学生が着るには道徳的に問題のあると思われるロゴなので、appropriateを使います。

(場面4)
 中学生が近所の店でビールを買っているところを目撃してしまいました。

If a shop owner knowingly sells alcohol to school children, the behavior is not appropriate.
店主が学生と知ってアルコールを売るとそれは適切でない行動です。

※ 道徳的な問題にはappropriateを使います。

(場面5)
 銀行や郵便局、またはパスポートを更新する場面で誤った用紙を提出してしまいました。窓口の人が以下のように言いました。

I’m sorry, but this isn’t the appropriate form for what you need to do.
申し訳ありませんが、あなたの申請に適切な用紙ではありません。

※ 道徳的な問題ではありませんが、「社会的に正しくない」という意味においてはappropriateを使います。

メンバーからのご質問

 以下は、メンバーより実際にあったご質問です。

 子供向けのおもちゃのパッケージなどではよく以下のような記載をよく目にします。

This toy is not suitable for a child under the age of four.
このおもちゃは4歳以下のお子様には適していません。

  この記載では「一般的に適さない」という意味合いなのでappropreateを使うべきなのでは?というご質問でした。しかし、おもちゃの購入はあくまでお子さんに合わせて親御さんが自由に選択できるものであることからsuitableが使われています。

 もし、そのおもちゃが「危険」、または「アダルトコンテンツを含む」ようなもので子供には適さないものであるという場合には、not appropriate = inappropriate が使われます。

 以上、suiableとappripreateの使い方を説明させていただきました。意味を理解して正しく使い分けてみてください。