当記事では、Move to/in/intoの使い分けについて説明させていただきます。すべてに「移動する」という意味合いがありますが、場面により適切な表現が異なります。実際にはto, in, into それぞれの意味とニュアンスを抑えておけばそれほど難しくありません。以下具体的に見てみましょう。
※ Move to ~ には「(方針などを)変更する」、move into ~には「~へ進出する」など幅広い意味がありますが、当記事では「場所を移動する」という意味においての使い分けを解説しています。
Move to ~ – ~に移動する・引っ越す・移転する
Move to +(移動先)で、「~に移動する・引っ越す・移転する」を意味します。
He had moved to Naples last year.
彼は昨年ナポリヘ引っ越しました。
A few years ago, my parents moved to a different part of the neighbourhood.
数年前に私の両親は近所の別の場所へ引っ越しました。
Move to ~は家の引っ越しだけではなく、同じアパート内で部屋を移動したり、勤務先で部署が移動したときなど、汎用的に使われています。
Nancy will move to a PR department this April.
ナンシーはこの4月に広告部へ異動します。
Move in ~ -(~に)引っ越してくる、(~に)入居する
Move inは、「(~に)引っ越してくる、(~に)入居する」という意味の句動詞です。新しい土地に引っ越してきたり、新居に新居するというときの「新規に入ってくる」というニュアンスで使われます。文法的にはmove in +「場所」と目的語をとることもできますが、以下の例文のような目的語を取らない形がよく使われています。
We will get the keys to our new house on Friday. I can’t wait to move in.
金曜日に新しい家の鍵を受け取る予定です。入居が待ちきれません。
The people next door moved in last weekend.
隣の人たちは先週末に引っ越してきました。
Move into ~(場所や建物に)移る
Move into ~ は、「(場所や建物に)移る」という意味の句動詞です。Move to や move in 同様「引っ越す」「入居する」という意味でも使われますが、一般的に、何か理由があって移動したり、より特定の場所へ移るときに使われます。
I have moved into the spare room upstairs because I snore too much.
私はかなりいびきをかくので、上の階の空いている部屋へ移りました。
My father is finding it hard living on his own, so he will move into the TV room downstairs.
私の父は自分のペースで生活することが難しいと感じ、階下のテレビ部屋へ移る予定です。
※ Move into ~ を使った文章は、ほとんどの場合汎用表現のmove to ~へ置き換えることができます。反対に「引っ越す」という意味でmove into ~ が使われることもあります。使い分けに明確なルールがあるわけではないのですが、使う前置詞により読み手の受けるイメージやニュアンスが変わってきます。
以上、Move to、move in, move intoの使い分けを説明しました。前置詞を適切に使い分けられるようになると、英語がより自然に聞こえるようになります。ぜひ会話やライティングで使ってみてください。