「盗む」を意味する英語表現の使い分け (Steal, Rob, Burgle, Mug, Break into)

英文法・語法

 当記事では、「盗む」を意味する4つの英語表現(Steal, Rob, Burgle, Mug, Break into)の使い分けをご説明させていただきます。「盗む」を意味する英単語は多くありますが、現行、添削に提出される文章では圧倒的にstealが使われています。Stealは汎用的に使える便利な語ですが、他の語を使った方がよい場合もあります。以下順に見ていきましょう。

Steal – 盗む

 Stealは「盗む」を意味する汎用的な語です。基本的には誰も見ていないところでこっそり持っていくイメージであるため、「脅し」や「暴力」が関連する場面では使われません。

Stealの目的語は「物」になります。

以下、例文を見てみましょう。

While I was sitting in the restaurant, someone walked past and stole my bag from the back of the chair.
レストランで座っていたら、誰かが通り過ぎて、椅子の背もたれにあったバッグを盗んで行った。

Her bicycle was stolen while she was at work.
彼女の自転車は仕事中に盗まれた。

My security camera showed two young boys stealing my chainsaw from the garden shed.
防犯カメラに、庭の物置からチェーンソーを盗んでいる2人の少年が映っていた。

Rob – 脅し、暴力、破壊などにより強奪する

 Robは、脅したり、暴力により金品や物を奪い取っていく場面で使われます。銃やナイフを持って脅してお金を強奪したり、ドアを爆破して侵入して何かを盗むときにもrobが使われます。Stealと異なり、所有者が認識している状態で行われ、犯行の多くは計画的に、またはグループで実行されるイメージがあります。

Robの目的語は盗む相手(人、店、銀行など)になります。

例文を見てみましょう。

The gang robbed more than six banks before the police caught them.
その暴力団は、警察に捕まるまで、6件以上の銀行を襲った。

The two schoolboys were robbed of their phones while walking home from school.
男子生徒2人が歩いて下校中に、携帯電話を奪われた。

He tried to rob the store but the cashier realized the gun was fake and refused to hand over the cash.
彼は店を襲おうとしたが、レジ係が銃が偽物であることに気づき、現金を渡すのを拒否した。

Burgle – 泥棒に入る

 Burgleは、誰かの家に盗みを目的で入るときに使われる単語です。休暇で家族が長期で家を空けたときや、夜間、家族が寝静まった後にこっそり入って盗んでいくようなときに使われます。Steal同様、脅しや暴力のない場面で使われます。

Burgleの目的語は場所(家、倉庫など)になります。目的語に「人」をとる場合もありますが、この場合人からの強奪ではなく、「その人の家が泥棒に入られた」という意味になります。

例文を見てみましょう。

We returned from the restaurant to discover that our home had been burgled.
レストランから戻ると、私たちの家が泥棒に入られたことがわかった。

My mother woke me up to tell me that we had been burgled while we slept.
母は、寝ている間に泥棒に入られたと伝えるために私を起こした。

We were burgled while we were out at the beach.
ビーチに出かけている間に泥棒に入られた。

Mug - 襲って金品を奪う

 Mugは、人の持っているスマホや財布が無理やり奪われるような場面で使われる単語です。

Mug の目的語は「人」になります。

Two men mugged him for his wallet as he walked home from the bar.
彼がバーから徒歩で帰宅中に、2人の男が財布を奪った。

I once got mugged by a man on the London Underground.
ロンドンの地下鉄で男性に襲われ(金品を盗まれた)ことがある。

Break into – (泥棒などが) 押し入る、不法侵入する

 句動詞Break intoには直接「盗む」という意味ではありませんが、「押し入る、不法侵入する」という意味から、家や車の鍵をこじあけて泥棒が入る場面でよく使われます。

break intoの目的語は「場所」になります。

Two men broke into his home via the kitchen door while he was on vacation.
彼の休暇中に、2人の男が勝手口から家に押し入った。

The house was burgled after the burglars broke into the residence through the kitchen window.
その家は、台所の窓から住居に侵入され、強盗にあった。

※ Break intoは「場所」を目的語に取りますが、以下の例文のように目的語がないときは、break in「押し入る、侵入する」という句動詞を使います。

I have alarms all over my house so it’s impossible for someone to break in without setting them all off.
私は家中に警報器を設置しているので、それらすべてをオフにしない限り誰かが不法侵入することは不可能だ。

 以上、「盗む」に関連する4つの表現をご紹介しました。例文を参考に実際に使ってみてください。

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