“Oxford comma”という言葉を聞いたことがありますか? 実はネイティブスピーカーでもよくわからないという人もいると思います。名前の由来は、特定のカンマのスタイル指針が、Oxford University Pressでルールとなったことからのようです。当記事では、Oxford commaとは何か、また利用方法について説明していきます。
Oxford commaとは何か?
Oxford commaは以下のように定義されています。
A comma used after the penultimate item in a list of three or more items, before “and” or “or.”
3語以上のリストの中で、最後尾から2番目の音節の後のand またはorの前に置かれるコンマのこと |
例文で見てみましょう。以下のセンテンスでspoonとandの間にあるコンマがOxford commaです。
Bring me a fork, a spoon, and a glass of water.
↑
※ Oxford commaは、series comma 、serial comma という名称でも呼ばれています。 |
Oxford commaの利用
さて、英文ライティングにおいてOxford commaはどう使われているのでしょうか? 結論からいうと、「それほど厳格に使われていない」ということになります。 実際、英語圏で数ある英文スタイルガイドの中でも、Oxford commaを採用しているものと、採用していないものがあり、日本の中学、高校で使われている英語の教科書においても利用しているものとしていないものがあります。
例えば、英語圏の新聞社やメディアの指針となるAP Style (Associated Press Style) ガイドでは、Oxford commaの利用が必須ではありません。AP Styleガイドに従った文章では、Bring me a fork, a spoon and a glass of water.と、andの前にコンマのない文が見られます。
業務の英文ライティングや留学先のエッセイライティングなどにおいては、書く前に学校や企業で採用しているスタイルガイドを確認して、句読点ルールを確認するようにしてください。
Oxford commaを使うべき場面
利用についてのルールは厳格でないという前提がありながら、内容によってはOxford commaを使った方がよい場面があります。
以下の文を見てみてください。
There were a few people at the party, including my ex-wives, Jenny and Aki.
andの前にコンマを置かない場合、以下の(A), (B) どちらの意味でとらえることもできてしまいます。
(A) そのパーティーには、私の前妻であるJennyとAkiを含む数人の人たちがいました。
(B) そのパーティーには、私の前妻たちと、JennyとAkiを含む数人の人たちがいました。
(B)の意味においては、以下のようにOxford commaを使うことで意味が明確になります。
There were a few people at the party, including my ex-wives, Jenny, and Aki.
もう一例見てみましょう。
I went out for a walk with my dogs, grandma and grandpa.
(A) grandma, grandpa という(愛称の)犬たちと散歩に行きました。
(B) 犬たちと、おじいさんとおばあさんと一緒に散歩に行きました。
この場合も(B)の意味であれば、以下のようにOxford commaを置くことで内容が明確になります。
I went out for a walk with my dogs, grandma, and grandpa.
以上、Oxford commaについてご紹介しました。繰り返しになりますが、学校や企業でのライティングを行うときは、その団体が採用するスタイルガイドに準拠してください。一般のライティングにおいては、意味と読みやすさを考えて句読点を適切に使用することが重要と言えます。