過去完了形「had + 過去分詞」の構文を文法的に理解していても、効果的に使うポイントを抑えている学習者は少ないと思います。一般に、過去完了の文章は、過去に起きた複数のイベントの時系列や因果関係を明確にするために使われます。当記事では、具体的な例文を使って過去完了形の利用場面をご紹介しています。
過去完了形の定義
まずは文法の復習です。過去完了形は過去のある時点で行われた動作やイベントより、更に前に行われた動作やイベントに対して使われます。
[基本形] 主語 + had + 過去分詞
以下、過去完了形がよく使われる2つの場面別に例文を使って説明していきます。
利用場面1: 理由や因果関係の説明
過去完了形は「過去にこういうことがあったので、こういうことが起きた。これを行った」ということを時系列に説明するときに便利です。
I went to Toronto last year to see my best friend, who had moved there in 2018.
2018年にトロントへ引っ越した親友に会うために、昨年トロントへ行きました。
(友人がすでにトロントに住んでいたので、訪ねた)
She wanted to pay for dinner for both of them but, to her horror, she discovered that she had lost her wallet.
彼女は両者の夕食の代金を払いたかったが、恐ろしいことに財布を無くしていることを発見した。
(財布がなかったので支払えなかった)
He only understood the movie because he had read the book.
本をすでに読んでいたので、彼だけがその映画を理解した。
以下は、否定形を使って「~なので~できなかった」という意味を表す例です。
We weren’t able to eat at the restaurant because we had not booked in advance.
事前に予約していなかったので、私たちはレストランで食事ができませんでした。
I wasn’t able to watch the movie because I had not remembered my glasses.
眼鏡のことを思い出さなかったので、私は映画を見ることができませんでした。
利用場面 2: 2つのイベントの時系列を明確にする
あるイベントより以前に起きたことを時系列に明確にしたいときには、過去完了が便利です。
They had never seen such amazing fireworks before they went to Japan last summer.
彼らは昨年の夏に日本へ行くまでそんなに素晴らしい花火を見たことがなかった。
以下のように会話でもよく使われます。
Person A: I went to Toronto last year, it was great.
A:昨年トロントへ行ったが、素晴らしかった。
Person B: Oh, wow! Had you visited before?
B:そうなの!?(それより)以前に行ったことあった?
Had they eaten before they arrived?
彼らは到着する前に食べましたか?
以上、過去進行形の利用場面と例文を紹介させていただきました。ぜひ実際のライティングで使ってみてください!