Anyの形容詞用法はよく知っていても、副詞用法では使ったことがないという人は意外と多いと思います。英和辞書の中には、anyの副詞用法を掲載していないものもあるようですが、anyの副詞用法は文章の微妙なニュアンスを出すときに大変便利です。当記事では、ネイティブスピーカーがよく使うanyの副詞用法3種類と例文をご紹介します。
Anyの副詞用法1 – (否定文で)これ以上の~はない
はじめは、否定文の中で副詞anyを使い、「最大値にある(これ以上の~はない)」という意味になるサンプルをご紹介します。
I couldn’t be any busier.
これ以上は忙しくなれない = 最大に忙しい
She couldn’t be any prettier.
彼女はこれ以上かわいくなれない = 最高にかわいい (最高の誉め言葉)
I could not have felt any more foolish after I mispronounced my manager’s name at the meeting last Wednesday.
先週の水曜の打合せでに自分の上司の名前を呼び間違えて以来、自分をこれ以上バカだと思えない = 自分をすごくダメに感じる (Maxの自己否定)
注意点として、上記の例文では通常could notを使い、cannotは使いません。なぜなら、「any + 比較級」でmax値を超えるという非現実を表しているためです。仮定を表すcouldを使うことで自然に読める文になります。 |
次は、「修辞疑問文(rhetorical question form) = 答えを必要としない疑問文」の中で使われる例です。
Could she be any wiser?
彼女はこれ以上賢くなれるでしょうか? = 彼女は最高に賢いです(最高の誉め言葉)
Could it get any worse?
これ以上、悪い状況になるでしょうか? = 現状は最悪です。
Could he have said it any better?
彼はこれ以上いいことを言えたでしょうか? = 彼のコメントはパーフェクトでした。(最高の誉め言葉)
※ 修辞疑問文(rhetorical question form)は、誰かに回答を求める質問ではなく、大勢の読み手へ問いかけるものです。 |
Anyの副詞用法2 – (あるポイントとくらべて)少しでも・いくらか
2番目の例は、現状のMax値や期限などの到達時点と比べて少しでも・いくらかという意味を加える例です。
I don’t want this any brighter.
これ以上は明るくしてほしくありません。= 今の明るさはOKです。これ以上は少しでも明るすぎます。
Let’s not finish this any later than next Tuesday.
次の火曜日より少しでも遅れないようにしよう。= 火曜日までに絶対に終わらせよう。
They don’t need it any sooner than the 22nd.
彼らは22日以前にそれを必要としていません。= 22日までは絶対に必要となりません。
Anyの副詞用法3 – もう少し(良くならないか・どうにかならないか)
副詞のAny3番目の例は、用法2で説明した「少しでも・いくらか」に近い意味です。現状や物の品質に関するもので、「もう少し(良くならないか・どうにかならないか)」という意味を表すものです。
Can you make it any larger?
もう少し大きくできませんか? = (少し(おそらく1cm か 2cm)サイズを大きくできませんか?というニュアンス)
Can we get the volume any louder?
音量をもう少し上げられませんか?
canを使う以外に、以下のようなwonderを使った文体もよく使われます。
I wonder if we could get the volume any louder.
もう少し音量を上げられたらいいのですが。
I wonder if we could get the quality any better.
もう少し品質を上げられたらいいのですが。
I wonder if ~を使った文はcan ~を使った文とほとんど同じ意味になりますが、間接的でよりソフトな印象になります。 |
最後に
以上、anyの副詞用法についてご紹介してきました。最後にanyの副詞用法を使った、短くて便利な例文2つをご紹介します。何かを直しているときや、体調を尋ねるときにも使えます。
Is it any better?
少しは良くなった?
Is it any worse?
何か悪くなった(劣化した)ところある?
副詞のanyは微妙な意味やニュアンスを示すため、使う場面を慎重に選ぶ必要があります。当記事の説明やニュアンスを十分に理解したうえで適切に使うように心がけてください。Good luck!