英語学習者から「自己紹介で My name is ~ って言っても大丈夫ですか?」と聞かれることがあります。”My name is ~”は使って大丈夫です。しかし場面によります。人を紹介するときによく使われるフレーズには、”My name is ~”, “I’m ~”, “This is ~”, “It’s ~” の4種類がありますが、それぞれ使い方が異なります。会話ではOKでもEメールでは使わない、また特定のシーンでのみ使われているものもあります。以下、それぞれの利用場面と注意点を見ていきましょう。
まず、4つのフレーズは大きく2つに分類されます。
はじめての自己紹介で使うフレーズ | 「〇〇です」と人を指すときに使うフレーズ |
I’m … My name is … |
This is … It’s … |
自己紹介 – Phrases for Introducing Yourself
まずは、はじめての自己紹介で使うフレーズを、対面、電話、Eメールの場面別に見ていきましょう。
(1) 対話(会話)での自己紹介
誰かと面とむかって「私は~です」というときの自己紹介で最も多く使われているフレーズはI’m ~です。利用シーンと例文を見てみましょう。
(シーン1)あなたはオフィスの廊下で新しく入った同僚を見かけました。
Hi, you must be the new administer. I’m Taka, I work on the 2nd floor.
あなたが新しい管理者ですね。タカと申します。2階で働いています。 |
(シーン2)ハンバーガーショップで、友人が別の友人と一緒にいるところをみかけました。近寄って自己紹介します。
Hi! I’m Taka, nice to meet you.
こんにちは。タカといいます。はじめまして。 |
次に、My name is の利用シーンです。My name is ~ は主にフォーマルな場面、またはグループに対してのはじめての自己紹介のときに使います。
(シーン3)あなたは、投資家のグループを前にこれから話をします。
Good morning, thank you for coming today. My name is Taka Nagasaki and I’m here from ABC Company to speak to you about invest management.
おはようございます。ナガサキタカと申します。資産運用についてお話するために、ABC社より参りました。 |
(シーン4)あなたは転職して新しい会社に来ました。部屋へ入って全員の前で挨拶します。
Hi, my name is Taka Nagasaki and I previously worked at CDE Company.
こんにちは。ナガサキタカと申します。CDE社で働いていました。 |
(2) 電話での自己紹介
実は、I’m ~の自己紹介は電話では使われません。ただし今まで使っていたとしても、無礼にはならないのでご安心ください。ただ、電話の相手にとって少々変な感じがします。通常電話では、My name is が使われます。
Good morning, my name is Taka Nagasaki and I’m calling from ABC Company. May I speak to Ms Sarah Abdul please?
おはようございます。ABC社のナガサキタカと申します。Sarah Abdulさんはいらっしゃいますか? |
(3) Eメールでの自己紹介
Eメールでのはじめての自己紹介にはMy name is ~, I’m ~ の両方が使われています。
Dear Ms Abdul, My name is Taka Nagasaki and I’m emailing you regarding the next project. Abdul様 |
Dear Ms Abdul, I’d like to introduce mydelf. I’m Taka Nagasaki. Abdul様 |
My name isを使うとI’mに比べよりフォーマルな印象になります。相手との距離感がつかめず迷ったときは、安全のためにMy name is を使うことがお勧めです。しかし実際には同じ会社内や、周知の取引先とのメールではI’m の自己紹介がよく使われてます。言葉のフォーマル度は会社や業界の文化にもよるので、受信したメールで相手がどう使っているかを観察しておくことも有効です。
人や自分を指し示す・識別する- for Identifying Yourself
次は、自己紹介ではなく「〇〇です。」と人を識別するフレーズThis is, It’s の利用シーンとサンプルを対面、電話、Eメールの場面別にご紹介します。
(1) 対話(会話)での識別
対面で相手はすでに自分を知っており、目の前にいるわけですから自分を示す必要はありません。他の人を紹介するときにThis is が使われます。対話でIt’s は通常使われません。
Hi, this is my friend, Laura.
こんにちは。こちらは友人のローラです。 |
(2) 電話での識別
電話で「〇〇です」と自分を指し示すときにもThis isを使います。自己紹介ではなく、自分が話していることを伝えるためです。
Laura: Hello, ABC Company, Laura speaking. Taka: Hi Laura, this is Taka from Accounting, I wonder if you could put me through to Sarah please? ローラ: もしもし。ABC社のローラです。 |
上記の例では、タカはローラを個人的には知らない可能性もあります。しかし同じ会社で働いている同僚という前提で自己紹介を行っていません。もう一例見てみましょう。
Laura: Good morning, this is Laura from reception, could you put me through to Taka please? Taka: This is Taka. ローラ : おはようございます。受付のローラです。タカにつないでもらえますか? |
It’s はThis is のインフォーマルバージョンです。会話は上記のThis is の例とほぼ同じですが、以下の例ではローラとタカは同僚で良く知っている仲という前提でThis isよりカジュアルなIt’s を使っています。
Laura: Hello, ABC Company, Laura speaking. Taka: Hi, Laura, it’s Taka. Laura: Oh hey Taka! How are you? ローラ:もしもし。ABC社のローラです。 |
(3) Eメールでの識別
さて、This is や It’sをメールで使うことはあるのでしょうか?
日本語Eメールの書き出しで「ABC社の藤沢です。いつもお世話になっております。」といった文面がよくみられます。このため、英語でも This is Fujisawa from ABC Corp. または、It’s Fujisawa. How are you? と英語で書いているメールを見ることがありますが、ネイティブスピーカーは基本的に周知の相手に対して文頭で名乗る習慣がありません。書いても誤りや無礼にあたるということではないのですが、やや奇妙な印象になります。メールを開く時点で相手が分かっているという認識です。
最後に
自己紹介や挨拶の丁寧さは、会社の文化や相手との距離感で変わってきます。当記事は、英語圏での平均的な利用シーンを基にして説明しています。英語教師や英語学校では、自己紹介についての説明が異なっていることがあります。実際、メールでの自己紹介には必ずMy name isを使い、I’mは使ってはならないと説明する人もいれば、My name is という挨拶は古いと説明する人もいます。重要なことは、それぞれのフレーズのフィーリングを理解し場面により異なるということを理解することです。
Thank you for reading and I hope that helps!