友人や知人が家族を失くした、大けがをした、また頑張ってきた受験に失敗したというような辛い状況にいるとき、どういう言葉をかけるべきか誰でも悩むと思います。英語があまり得意でない場合は、テキストの定型句を駆使してメッセージを送ることもあるでしょう。
適切な言葉を探す作業は大変困難で、相手の状況、相手との距離などをよく考える必要があります。私自身、友人を事故で急に亡くしたことを知り、ショックで判断力を失くし、電話でご家族に不適切な言葉をかけてしまった経験があります。
当記事では、辛く悲しい気持ちの人へかける言葉をご紹介させていただきます。まずはじめに、利用を避けた方がよい定型句から説明します。
悲しい気持ちに対して不適切な定型表現
よく使われる定型表現であっても、相手が本当に辛い時にはあまり使わない方が良いものがあります。順にみていきましょう。
(1) I can’t imagine what you’re going through.
「あなたがどんな(困難な/悲しい)状況にいるかとても想像できません。」という意味になります。相手を想う言葉ではあるのですが、思い返して悲しみを増長させてしまう可能性があります。また「私はあなたの気持ちを分かって上げることができません」という意味でもあるため、読み手が孤独に感じてしまう可能性もあります。
(2) There will always be another opportunity.
「別の新しいチャンスはいつでもありますよ。」という意味で、就職活動の失敗や失恋のときに使いがちですが、本当に辛いときには次のステップを考える余裕はありません。もう少し相手に寄り添う表現を使った方が良いでしょう。
(3) Here’s what I think you should do.
「こうしたらどうかな」というアドバイスですが、相手の気持ちに寄り添わず、自分の考えを押し付けていることになり、相手を不快な気持ちにさせる可能性があります。
(4) I’ve been through the same thing.
「私も同じような経験があります」という意味合いです。そうなのかもしれませんが、状況は人によって異なります。相手の悲しい気持ちを本当に理解できているかどうかは分かりません。自分のことより、相手の事を想う言葉を使うべきです。
(5) Things could be worse.
直訳で「物事は(現在より)悪い可能性がある」という意味で、「まだいい方だ」「まだマシな方だ」という意味合いで、会話などでよく使われる表現ですが、悲しんでいる人に対して使うべきではありません。
[まとめ] 悲しい気持ちになっている人に対して、自分の主観を押し付ける、(求められていない)アドバイスを与える、また自分の経験などを話すことは避けるべきです。いかなる場面においても、相手を主体と考え、寄り添う姿勢を示すことが大切です。 |
では、以下、よく使われる適切な例文を見ていきましょう。
汎用的に使える言葉
まずはじめに、相手に寄り添う気持ちを伝えられる汎用的な言葉をご紹介します。あまり場面を選ばずに使えるものが多いですが、単にコピーして使うのではなく、状況に合った言葉であるのかよく考えてから使うようにしてください。
I care about you.
あなたを大切に思っています。
I’m always on your team.
私はいつもあなたの味方です。
I’m always on your side.
私はいつもあなたの味方です。
You matter so much to me.
あなたは私にとって、とても大切な存在です。
No matter what you choose or do, you won’t push me away.
あなたがどんな選択をしても、どんなことをしても、私は味方でいます。
I’m so sad about this.
私も悲しいです。
This makes me so sad.
とても悲しくなります。
I hate that you’re going through this.
あなたがこんな目に遭うなんて嫌なのです。
I wish I could take this pain away from you.
あなたからこの辛さを取り除いてあげられたらいいのに。
It’s OK to not be OK.
うまくいかなくても、大丈夫です。
Whatever you’re feeling is normal and fine.
あなたの思いは、普通のことで、問題ありません。
There’s no need to rush your feelings. I’m here for you no matter what.
自身を追い詰める必要はありません。私は何があってもあなたのそばにいます。
Don’t beat yourself up for feeling bad. This is a hard time.
後悔で自分を責めないでください。今は辛い時期です。(そういう時期なのです)
There is no right or wrong way for you to feel right now.
今の気持ちに、正しいも間違いもないのです。
手を差し伸べる言葉
次に、相手に助けが必要なとき、または話を聞いてあげたいときなどに使われる言葉をご紹介します。
I can take care of that.
私が助けられます。
Why don’t you let me deal with this?
私に、任せてみませんか?
Please let me do this for you.
私に協力させてください。
You stay here while I sort that out for you.
私が対応するまで待っていてください。
How can I help right now?
今、私にできることは何ですか?
Do you want to talk about it right now?
今すぐ話したいことがありますか?
以上、辛く悲しい気持ちに寄り添う言葉をご紹介させていただきました。初めに述べたように(そのことを聞いて)ショックで判断力を失くしている状態で適切な言葉を探す作業は大変困難です。実際には相手もわかっているので、たとえ間違いだらけでも、不適切な表現があったとしても、贈ってもらったメッセージはうれしいものです。ただ、当記事の内容のようなことを分かっていると、より相手に届く言葉が書けるようになるでしょう。状況をよく考えて適切な言葉を選んで使ってください。