当シリーズでは、数回にわたり、趣味や生活に関して「好き」を超えて「中毒性がある」状態を表すイディオムを順次ご紹介していきます。イディオムには流行があり、3年前にはなかった語や、今はよく使われていても数年後には古くなってしまうことがよくあります。当シリーズでは、その中でも比較的最近使われているものに絞ってご紹介しています。
第1回は「愛好家・ハマっている/のめり込んでいる人」といった表現に当てはまる英語をご紹介します。
「名詞 + lover」 – 愛好家・ハマッている人
シンプルに「あの人は~が大好きだ」「あの人は~にハマッている・のめり込んでいる」というときには 名詞 + lover という表現がよく使われます。単語loverにはちょっとかわいらしい響きがあり、遊び心を感じさせます。どんな言葉と組み合わせても使える大変便利な表現です。
(例)
A meat lover – 人よりステーキやチキンなど肉類をたくさん食べている人
An art lover – 絵画や彫刻の鑑賞や収集に熱中している人
その他の例文もみてみましょう。
Barbara spends all her money on high heels, boots and sneakers. She’s a real shoe lover.
バーバラは彼女の財産をハイヒールやブーツ、そしてスニーカーにつぎ込んでいる。彼女は本当に靴を愛している。
Dave has a poodle, a pit bull and a rottweiler. He’s an unabashed dog lover.
デイブはプードル、ピット・ブル、ロットワイラーを飼っている。彼はまぎれもない愛犬家である。
「愛犬家、愛猫家」というときには、personを使ってdog person / cat personという言い方もよく使われます。名詞 + personは、動物を飼っていなくても、「単に好きな人」、または「どちらかというと~が好きな人」に対しても使えます。例文を見てみましょう。
I’ve never had a dog. I’ve always been a cat person. Dog people are usually more outgoing than cat people. |
「名詞 + enthusiast」 – 熱心な人・のめり込んでいる人
名詞 + enthusiastは名詞 + loverと同じような意味を持ちますが、遊び心はなく、かなりフォーマルな印象です。また、enthusiastには「~に対して一定期間まじめに向き合っている」「~に対して知識がある」というニュアンスがあるため、にわか趣味や、ブームに乗って熱中している人に対しては使われません。例文を見てみましょう。
He studied the Jurassic era in college. After that he became an expert on fossils. He’s quite the dinosaur enthusiast.
彼はジュラ紀についてを大学で学んだ。そしてその後、化石の専門家になった。彼は大変恐竜にのめり込んでいる。
He never listens to rock, pop or hip hop. He is mainly interested in the orchestral works of Beethoven, Chopin and Stravinsky. He’s a classical
music enthusiast.
彼は決して、ロック、ポップミュージック、ヒップホップを聞かない。彼は主に、ベートーベン、ショパン、ストラビンスキーのオーケストラに興味がある。彼はクラッシック音楽に熱心な人である。
以上、第1回は「愛好家・ハマっている/のめり込んでいる人」という表現をご紹介しました。後続記事では、もう少し「中毒性の高い」状態を表す表現をご紹介していきます。