「ギリギリ」「最後の最後に」を表す場面別英語表現

当記事では、「ギリギリ」、「最後の最後に」といった意味に該当する英語表現をご紹介させていただきます。

At the last moment/minute/second – 「最後の瞬間に」「ぎりぎりで」

 At the last moment/minute/secondは文字通り、「最後の瞬間に」という意味で、あらゆる場面でよく使われる最も汎用的な表現です。それぞれの意味やニュアンスの違いはありません。気に入ったものを使ってください。

He cut the wire right at the last moment and the bomb failed to detonate.
彼がまさに最後の瞬間に導線を切断したため、爆弾は爆発を免れました。

They knew there was going to be a terrorist attack on the Olympics and at the last minute the police found out where the terrorists were located and arrested them.
彼らはオリンピックでテロリストの攻撃があると知っており、警察は最後の瞬間にテロリストの居場所を発見し、逮捕しました。

 応用としてat the last possible moment という表現も、覚えておくと便利です。Possibleを挿入することで、「ギリギリの土壇場で」「最後の一瞬で」という緊迫感が加わります。

They found the bomb with just seconds to go and deactivated it at the last possible moment.
彼らは爆発の寸前に爆弾を見つけ、ギリギリの最後の瞬間に起爆装置を解除しました。

At the death – (スポーツで)最後の最後に

 At the deathは、「死に際に」という意味ですが、スポーツの試合で最後のホイッスルが鳴る前の逆転シーンなどでよく使われる表現です。

The score was 0-0 and it looked like the final was going to penalties until, right at the death, the German goalkeeper made a big mistake and allowed the English striker to score the winner.
スコアは0対0で、決勝戦はPK戦になるかと思われましたが、最後の最後にドイツのゴールキーパーが大きなミスを犯し、イギリスのストライカーに決勝点を決めることを許しました。

At the eleventh hour – (締切日・時間)ギリギリに

 The eleventh hour「時計の12時の1時間前の11時」という表現は、締切や終了直前に何かが行われたときに使われます。

※ 以下の例文では「ギリギリまで」という意味で前置詞atの替わりにuntilを使っています。

The team will fly out to the World Cup tournament next week but the manager has decided to wait until the eleventh hour to decide whether or not the injured striker will be fit enough to be on the plane with them.
チームは来週のワールドカップトーナメントに向けて飛び立つ予定ですが、マネージャーは負傷したストライカーがメンバーと共に搭乗できるまでに回復したかどうかを判断するため、ギリギリまで待つ決断をしました。

 時間的に本当にギリギリであることを強調するときに使われる、at the eleventh hour and the 59th minuteという表現もあります。

Everyone was waiting for the meeting to start but one seat was empty until at the eleventh hour and the 59th minute, when Andrew ran in and sat down just a few seconds before the boss arrived.
皆は会議が始まるのを待っていましたが、ひとつの席がギリギリまで空席のままでした。上司が到着するほんの数秒前にアンドリューが走り込んで来てその席に座ったのです。

In the nick of time – ぎりぎり間に合って、間一髪のところで

 In the nick of timeは「ぎりぎりのタイミングで良い方向へ向う」というときに使われる表現です。

She collapsed and her condition worsened in the ambulance but she arrived at the hospital just in the nick of time and they managed to stabilize her and save her life.
彼女は倒れ、救急車の中で容体が悪化しましたが、間一髪のところで病院に到着し、何とか安定させて命を救うことができました。

The few survivors of the 1902 Mount Hakkoda Disaster in Aomori were rescued in the nick of time but most of them still lost arms or legs due to the extreme cold.
1902年、青森県八甲田山遭難事件のわずかな生存者は間一髪のところで救出されました。しかしそれでも、極寒のためにほとんどの人たちが腕や脚を失うことになりました。

Not a moment too soon – 手遅れになる前に

 Not a moment too soonは、「もう少し遅かったら大変なことになる」というときに使われる表現です。

The ambulance finally arrived for the victim, and not a moment too soon, as she was close to death.
犠牲者は死にかけていましたが、やっとギリギリのタイミングで救急車が到着しました。

My vaccination is finally happening next week and it’s not a moment too soon as there seems to be another wave of the virus taking place right now.
私はようやく来週ワクチン接種をする予定ですが、現在感染の次の波が来ているのでギリギリ間に合うタイミングです。

(With) no time to spare – 時間の余裕がないときに、時間が足りない状況で

 No time to spareは、 「何かが起きるまでにもう時間がない」状況で何かが起こったときに使われる表現です。

The man had suffered a heart attack and his neighbor spent 10 minutes doing chest compression by hand until, with no time to spare, the paramedics arrived and used the defibrillator to restart his heart.
その男性は心臓発作を起こしたため、近所の人が素手による心臓マッサージを10分間に渡って行いました。そしてギリギリの瞬間に救急隊員が到着して除細動器を使って心臓を再鼓動させました。

Just minutes before the restaurant was due to open for its first night, the boss was shouting at the staff who were making final preparations and telling them all there was no time to spare and everything had to look perfect when the doors opened.
レストランが初日の夜に向けて開店する数分前でした。上司は最終の準備をしていたスタッフ全員に対して、もう時間ぎりぎりだが、店のドアが開いたときにはすべてが完璧に見えるようにしなければいけないと叫んでいました。

Just in time – ギリギリセーフで、ちょうど間に合って

 Just in timeは、「ギリギリセーフ」「ギリギリに間に合う」というときに使われる表現です。

The essay deadline was 5:30pm and somehow, I finished it and handed it to the professor just in time.
小論文の締め切りは5時30分でしたが、私は何とか書き終えて、教授に提出するのにぎりぎり間に合いました。

The striker was able to recover from his injury just in time to make the squad for the big game.
そのストライカーは大きな試合のメンバーになるのにちょうど間に合うように負傷から回復することができました。

 以上、ギリギリ、最後の最後でという表現をご紹介させていただきました。場面に応じて使い分けてみてください。