電気自動車について英語で討論する – Pros and Cons of Electric cars

 当記事では、電気自動車について意見を述べるときに使えるサンプルセンテンスをご紹介しています。電気自動車の導入は現在進行中であり、国によって考え方や状況も異なります。当記事では日本に住む英語学習者が考えそうな内容を英語便メンバーより提示いただき、ネイティブ講師がサンプルセンテンスを書き下ろしています。また、情報は2020年12月のものに基づいています。センテンス引用時は数値を最新情報に置き換えて使ってください。

※ 以下の例文の電気自動車の記述に関して、乗り物一般を意味する時はelectric vehicle、車に特化するときはelectric carという記載を使っています。

電気自動車の特性や現状

 まずは、電気自動車について意見を述べるときに、導入や前提条件として使えるセンテンスをご紹介させていただきます。

Continuing developments in lithium-ion battery technology have resulted in batteries with higher capacity, longer life spans, and improved rechargeability.

リチウムイオン電池技術の進化により、より大容量で長時間の持続性があり、進化した充電機能のある電池が開発されました。

Consumer electronics companies, such as Panasonic and Sony, are trying to break into the electric car market by partnering with automotive companies or developing their own models.

パナソニックやソニーのような家電メーカーが自動車メーカーと手を組んだり、独自のモデルを開発したりして電気自動車業界へ進出しています。

The Japanese government has incentivized ownership of all-electric, hybrid electric and other environmentally friendly vehicles through subsidies, tax deductions, and a government assisted scrappage program.

日本政府は 電気自動車、ハイブリッドカー、またその他の環境にやさしい車の所有に対して補助金、減税、スクラップインセンティブなどの支援を行っています。

※ scrappage program スクラップインセンティブ(Scrap incentive)とは、国家が消費者に対して、所有している古い自動車の廃車を促し、新車に買い換えるための動機付けを行う各種優遇策。

Pros – 電気自動車導入の利点

 以下は電気自動車を使う利点に関する例文です。

The most distinctive feature of all-electric vehicles is that their motors are powered solely by battery-stored electricity instead of fossil fuels. Therefore, electric vehicles themselves emit no carbon dioxide or other forms of harmful exhaust making them much more environmentally friendly.

全電動式車両の際立った特徴はモーターが化石燃料を使わず蓄電された電気だけで動いているということです。このため、これらの電気自動車は二酸化炭素やほかの有害物質を放出することがなく、大変環境にやさしいものとなっています。

※ 電気自動車が必要とする電気が化石燃料を使って発電されていることから、「電気自動車の導入が本当に環境にやさしいのか?」という議論も常にあります。この点を反論するサンプルを、ご参考までに示します。

Electric cars rely on regular charging from the national electricity network. The power plants providing this electrical energy cannot be emission-free, as a certain amount of electricity comes from burning fossil fuels.

電気自動車は定期的な充電を国の電気網に依存します。一定の電力は化石燃料を燃やすことで作られているため、発電所は(二酸化炭素)排出物ゼロで電気を作ることになり得ません。

While gasoline-powered cars are often cheaper upfront, plug-in electric car owners benefit from long-term fuel savings. The cost of fully recharging the average electric car is less than half the cost of refilling the average gasoline-powered car.

ガソリンで動く車は(購入時の)価格が安い傾向がありますが、プラグインの電気自動車の持ち主は長期的にはガソリン代を節約できます。平均的に、電気自動車のフル充電コストは、ガソリン車を満タンにするコストの半額以下です。

Electric vehicles offer a comfortable experience for passengers and drivers. Their engines produce little noise, yet electric motors are capable of powerful and smooth acceleration.

電気自動車は運転手と乗客に心地よさを提供します。エンジンの騒音はほとんどなく、それにかかわらず電気モーターはパワーがありスムーズな加速が行われます。

Cons – 電気自動車導入の問題点

 以下は電気自動車の弱点や問題点を説明する例文です。

The average initial cost of a gas-powered automobile in Japan is about one million yen compared to most electric car models which cost about four million.

日本でのガソリン車の平均初期コストが100万円であるのに対し、ほとんどの電気自動車は約400万円です。

While battery technology is improving, most electric vehicles have a shorter range compared to gasoline-powered equivalents. Most electric vehicles can travel 200-600 kilometers on a full charge, while many gas-powered cars can go over 600 kilometers on a full tank.

電池の技術は向上していますが、電気自動車はガソリン車に比べ走行距離が短いです。たいていの電気自動車が、フル充電で200~600キロ走るのに比べ、ガソリン車は600キロ以上走ることができます。

One major disadvantage of plug-in electric vehicles is that recharging a battery pack takes far longer than filling up a tank of gasoline. Additionally, despite increases in the number of charging stations, many countries still lack uniform nationwide infrastructures to adequately support electric vehicles outside of urban areas.

電気自動車の大きな欠点は、バッテリーパックの充電がガソリンタンクを満タンにする時間に比べ大変時間がかかるということです。加えて、チャージステーションの数が増えているにもかかわらず、多くの国において、都市部以外では電気自動車をサポートのするインフラが十分に整備されていないということがあります。

According to a recent international report, sales of electric cars are likely to overtake sales of gasoline-powered cars by 2038. This will further increase the demands placed on the electrical infrastructure, and could cause a blackout in some areas.

ある最近の国際的なレポートは、電気自動車のセールスが2038年までにガソリン車を追い抜くだろうと予測しています。これにより、電気的インフラの必要性がさらに増えると予測されます。そして(電気不足により)一定の地域では停電が起きるかもしれません。

海外の実情や将来展望など

 以下は電気自動車に関する意見をサポートするときや、付加情報として使えるサンプルセンテンスです。

According to information published by the International Energy Agency, plug-in electric and hybrid-electric vehicle sales in 2019 were less than one percent of all automobile sales in Japan. The higher price tag of these vehicles compared to gasoline-powered cars deters potential buyers. However, the market share is expected to increase as the falling cost of lithium-ion batteries lowers the overall price of zero-emission vehicles.

International Energy Agencyより発行された情報によると、日本では2019年の電気自動車のセールスは全体セールスの1%以下ということでした。高価格の電気自動車はガソリン車に比べ将来的な購入者を遠ざけてしまっています。しかしながら、リチウムイオンバッテリーの価格低下により、電気自動車の価格も下がりマーケットシェアが広がることが期待されています。

While China’s automotive market has the highest number of electric vehicle sales, Norway has the highest sales per capita. In 2019, electric car sales held 46% of Norway’s automobile market share.

中国の自動車産業が全体で最も高いセールスを上げているのに対し、ノルウエーでは1人あたりのセールスが最高です。2019年時点で、ノルウエーでは電気自動車のセールスが全体の自動車セールスの46%を占めています。

Used electric car batteries are being repurposed by Hollywood. The film industry is typically reliant on diesel generators to power equipment when shooting outside of a studio. However, the fumes and noise from the diesel generators can cause problems. These issues are remedied when using repurposed electric car batteries. 

使用済の電気自動車のバッテリーはハリウッドで再利用されています。映画産業は屋外での撮影にディーゼルエンジンを使っていますが、ディーゼルエンジンの煙と騒音が問題でした。電気自動車のバッテリーを使うようになり状況がよくなりました。

※ repurpose 別の目的に使う

 以上、「電気自動車」について意見を述べる例文をいくつかご紹介しました.電気自動車に関する技術は日々進歩しており、状況も変化しています。常にニュースなどを参考にして、自分なりの意見を作ってみてください。