3.L&Rテストとの違いと学習方法について
TOEIC L&Rテストとの違い
やはり日本人英語学習者にはTOEIC L&RテストよりもTOEIC SWテスト、TOEICスピーキング・テストのほうがむずかしいだろう。TOEIC L&Rで990満点を含む高得点を連発している人がTOEIC SWテストではスピーキングで140点以下、ライティングで160点以下のスコアだったという話はよく聞く。普段から英語によるスピーキング、ライティングをする機会がない人には、TOEIC SWテストもTOEICスピーキング・テストもかなりきびしいと思われる。
まず、TOEIC SWテストもTOEICスピーキング・テストも、コンピュータを使って実際に自分で話して書かなければならない。スピーキング・テストでは問題が求めていることに対してまっすぐに、そして決められた時間内で、時には準備時間もなく瞬時に答えなければならない。ライティング・テストではメール文をよく読んで、それに対して与えられた課題を満たしつつ、的確に答えなければならない問題(Questions 6-7)や、与えられたテーマに対して自分の意見を30分で300語以上書かなければならない問題(Question 8)が出題される。
TOEIC L&Rテストに対して、TOEIC SWテストとTOEICスピーキング・テストは受験者の英語力そのものが問われるように思う。よって、L&R以上に周到な用意をしなければならないし、限りなく本番に近い問題を事前にこなしておく必要がある。
TOEIC SWテストとTOEICスピーキング・テストの学習法
前項で述べたとおり、試験で点数を取るには「限りなく本番に近い問題を事前にこなす」ことが重要だ。注意したいのは、TOEIC SWテストおよびTOEICスピーキング・テストの出題内容は年々変化しているということだ。公式問題集で問題の感じをつかみ、できるだけ近年に出版された、質の高い対策書で準備することを勧めたい(採点基準を十分に意識して書かれた模範解答が掲載された書籍は意外と少ないのだ)。信頼できる書籍にある模範解答をよく見て、自分で話し、書けるようにしておこう。
TOEIC L&Rの問題もたくさん解いておくこともぜひ勧めたい。たとえば、スピーキング・テストのQuestions 1-2で朗読する英文は、L&RテストのPart 4でよく聞くアナウンス文とほぼ同じだ。Question 3はL&RテストのPart 1に使われる表現を覚えておくといい。L&RのPart 2の質問と返答に使われる言い方を自分でも使えるようにしておけば、スピーキング・テストのQuestions 4-6に十分に対応できる。L&RのPart 3とPart 4の設問や図表を「先読み」する訓練を積むことで、さらにはPart 7の図表がからんだ問題をたくさん解くことで、スピーキング・テストのQuestions 7-9のいい対策になる。Question 10のリスニングはまさしくL&RのPart 4でよく聞く留守番電話のメッセージのようだ。ライティング・テストのQuestions 1-5はL&RのPart 1の表現をできるだけたくさん覚えておくことで高得点が狙える。
TOEIC SWテストとTOEICスピーキング・テストは、TOEIC L&Rを基本に作られていると言えるだろう。
英語4技能テストの必要性
近年の「英語コミュニケーション能力測定のための英語4技能テストの必要性」の高まりを考えると、今後は各企業や教育機関でTOEIC LRとあわせてTOEIC SWのスコアも求められることが予想される。
TOEIC SWテスト、TOEICスピーキング・テスト対策もきっちりしておきたい。