本や映画のレビューを書くときに重要なことは、ストーリーを単に要約するのではなく、作品を評価し、意見を述べることです。レビューを書くことは、あなたの好きな物語やキャラクターを再認識し、様々なテーマに関して意見を述べるよい練習になります。そして、たくさんの人に自分の気に入った作品を推薦したり、価値がないと思うことを伝えることができます。
レビューに決められた形式はありませんが、いくつかのポイントや注意点をおさえておくと、より洗練された文章が書けるようになると思います。以下例文とともに説明します。
ジャンルを説明する
レビューの読み手が本や映画のことを全く知らないと思われるときは、タイトルの後でジャンルを説明すると分かりやすくなります。例えば、ドラマ(drama)、恋愛もの(romance)、ホラー(horror)、SF (science fiction)なのか、または、伝記(biography)、あるいは誰もがよく知っている実話(well-known figure that everyone knows)のようなノンフィクション(non-fiction)なのかなど、また、映画の原作が小説やマンガ、または昔の映画からリメイクされたものであるといった情報を入れると更にわかりやすくなります。
以下はジャンルを説明しているサンプルです。
The Grapes of Wrath is perhaps the most American of American classic novels. The Grapes of Wrathは、おそらくアメリカの古典小説の中で最もアメリカらしい小説です。 |
意見を述べる(良かったか? / 良くなかったか?)
レビューの初期段階で、良かったのか、悪かったのかという意見を簡潔に述べると、その後の説明が説得力のあるものになります。
以下は、映画の良い点を述べるレビューの書き出しの例です。
The Usual Suspects is a rare movie that succeeds in almost every way, where each character, scene, costume, and dialogue to make a film worth repeated viewings. 「ユージュアル・サスペクツ」は登場人物、場面、衣装、会話すべてにおいて優れている繰り返し見る価値のある素晴らし作品です。 |
そして、続けて理由や意見を付け加えていきます。レビュー用サイトによっては、星印の数やスコアで直接評価する場合もあるでしょう。その場合は、マークの数やスコアの理由を後続で述べます。
ストーリーの示し方
レビューへストーリーを含めるときは要点を短く説明します。詳細を長く説明する必要はありません。読み手へだいたいのコンセプトやアイデアが伝わるようにまとめます。
以下はストーリーの概要を短く伝えている例です。
The Odyssey is an epic poem by Homer that focuses on the Greek hero Odysseus and his journey home after the fall of Troy. 「オデュッセイア」は、ホメーロス による、ギリシャのヒーロー、オデュッセウスとトロイの崩壊の後の凱旋についての叙事詩です。 |
※ Spoilersとは?
レビューの中で、一部のストーリーを 詳細に説明したりしているときは、レビューの最初にSpoiler Warningsを記載します。日本語では「ネタバレ」とよく訳されていると思います。これにより、ストーリーを事前に知りたくないと思う人は、この部分をスキップして読むことができます。Spoiler Alert!、Spoilers ahead!といった記載もよく使われています。 |
様々な側面から見る
Plot(筋、構想)は本や映画のひとつの側面です。Plotですべての作品を決定づけるべきではありません。ストーリーによっては、あまり筋や構造がよくない、または印象的でないものもありますが、それで本や映画そのものが悪いということことにはなりません。理由はよくわからないけど単に「可笑しい(funny)」、「感動的(emotional)」、「美しいイメージが浮かんだ(had beautiful imagery)ということもあると思います。映画に関しては、撮影の技術(cinematography)について触れることもよくあります。
以下は、撮影の技術(cinematography)を入れたレビューの一部です。
The Fall shows a world drenched in color, where every frame looks like a painting. 「ザ・フォール/落下の王国」は、色彩の世界を表しており、すべてのコマがまるで絵画のようです。 |
レビューのまとめ方
レビューの最後は、あなたの意見を改めて表し、お勧めするのかしないのかを示しましょう。レビューを読んで、人は作品を見る/読む、またはやめるのかを決めるのです。
以下は、お勧めする本のレビューをまとめる例です。
The discussion of these timeless themes explains why this book has continued to be relevant to readers, even in modern times. これらの時代を超えたテーマにより、本書が、近代になってもなお、読み手にとって価値があり続ける理由となっています。 |
では、最後に通しのイメージを確認しましょう。
Example Book Review: ブックレビューの例
The Grapes of Wrath is perhaps the most American of American classic novels.
First published in 1939, Steinbeck’s Pulitzer Prize winning epic of the Great Depression chronicles the Dust Bowl migration of the 1930s and tells the story of one Oklahoma farm family, the Joads, driven from their homestead and forced to travel west to the promised land of California. The novel describes the conflict between the powerful and the powerless, of one man’s fierce reaction to injustice, and of one woman’s stoical strength. It captures the horrors of the Great Depression and probes the very nature of equality and justice in America. The discussion of these timeless themes explains why this book has continued to be relevant to readers, even in modern times.
1939年にはじめて出版されました。1930年代の世界恐慌でダストボウル(開墾によって発生した砂嵐)から逃れる人々のストーリーで、スタインベックによる ピューリッツァー受賞の大作です。約束された未来があるカリフォルニアへ向かって西へ移動しなければならなくなった、オクラホマの農家であるジョード一家のストーリーが描かれています。 小説は、一人の男の不正に対する強い反発、そしてひとりの女性の冷静な強さ、強い力と無力の矛盾を描き、そして、世界恐慌の恐怖 アメリカの本質である平等と正義を捕らえています。これらの時代を超えたテーマにより、本書が、近代になってもなお、読み手にとって価値があり続ける理由となっています。 |
Example Movie Review: 映画レビューの例
LOGAN [This review contains spoilers]:
The latest movie in the X-Men franchise, LOGAN examines the relationship between Professor X and Wolverine, otherwise known as “Logan.” As Professor X’s health deteriorates Logan has to keep both him and another young mutant safe from the bad guys. This is unlike any other big “blockbuster” superhero film you have seen, as there is lots of strong language and gore. The film has a much darker tone than most comic book movies-the main character, played by Hugh Jackman, spends the majority of the movie hobbling, coughing, and lumbering around like a broken man. Many people have criticized LOGAN for being “too depressing,” but as it is imitating an old American western movie in both tone and storyline, this style fits the movie perfectly. It’s brutal, dark, raw, emotional, and—for me—this is the new standard for ALL future Marvel / Superhero / Comic Book movies. Score: 9/10 「ローガン」 X-Menシリーズの最新作「ローガン」は、登場人物のプロフェッサーX とローガンとして知られるウルヴァリンの関係を描いています。プロフェッサーXの健康状態の悪化につれ、ローガンはプロフェッサーと若いミュータントたちを悪者から守らなければなりませんでした。 他の大ヒットしたスーパーヒーローものとは違い、映画のシーンにはかなり強い言葉や、暴力が登場します。また、他のほかのコミックブック映画に比べかなり暗いイメージがあります。ヒュー・ジャックマンが演じる主役は、映画の大部分で、壊れた人間のようによろめき、咳き込み、そしてぎこちなく動きまわります。 多くの人が、「ローガン」を「重苦しい」と批判していますが、その理由は、トーンやストーリーが古いアメリカの西部劇映画を模倣しているからであり、そのスタイルが映画に完全にフィットしています。残忍で、暗く、粗野、感情的、そして私には、この作品は、すべてのマーベル作品、スーパーヒーロー、またはコミック本映画の新しい形のように見えます。 スコア 9/10 |